オーストラリア産羊肉の対日輸出量
オーストラリア産羊肉の対日輸出量
参照元:DAFF(オーストラリア農林水産省)

よく聞かれる質問のひとつに、羊肉市場の現状についてがあります。日本で流通する羊肉の約7割はオーストラリア産です。オーストラリアからの輸出動向を見ることで、現在の日本におけるラム肉市場の状況も見えてきます。今回は、その動向についてまとめます。

2026年6月のオーストラリア産羊肉(ラム・マトン)の対日輸出量は1,165トンとなり、前年同月比37%減少しました。3月の約2,200トンをピークに減少が続き、6月は2026年に入って最も少ない月間輸出量となっています。

一方、1~6月の累計輸出量は9,443トンで、前年同期比2%増。6月だけを見ると大幅な減少ですが、年初から3月にかけて前年を上回ったため、上半期全体ではほぼ前年並みといえます。

6月はすべてのカテゴリーで前年割れ

6月は、ラム・マトン、チルド・冷凍を問わず、すべてのカテゴリーで前年同月を下回りました。チルドラムでは、レッグが前年同月比17%減、ショルダーが同14%減。冷凍ラムは同63%減となり、なかでも加工用途向けの原料肉は59%減と大きく落ち込みました。冷凍マトンも同18%減となっています。

背景には、オーストラリア産羊肉の原料価格上昇や為替に加え、輸入企業の仕入れ時期や国内在庫など、複数の要因があると考えられます。

なぜ3月に輸出が集中したのか

羊肉は一年を通じて食べられる食材ですが、日本向けの輸出量は毎月一定ではありません。輸入企業は、その時点の価格や今後の値上がりを見込み、数カ月分をまとめて確保することがあります。2026年は価格改定を前に、3月までに仕入れを増やした可能性が指摘されています。

また、日本では春から初夏にかけてジンギスカン需要が高まります。北海道では花見や屋外イベントでジンギスカンが楽しまれ、本州でもバーベキュー需要が増える時期です。こうした需要を見越して前半に多く輸入し、在庫状況に応じて次の仕入れを抑えることも、月ごとの増減につながります。

したがって、3月の増加とその後の減少を、羊肉需要の急増・急減と単純に捉えることはできません。輸入時期によって生じる「波」という側面が大きいと考えられます。

加工用途向けラムは何に使われる?

加工用途向けの羊肉は、主に味付ジンギスカンやロール肉、ソーセージなどの原料として使われます。特にロール肉や味付ジンギスカンは、家庭でも外食でも気軽に羊肉を楽しめる商品として、日本の羊肉市場を支えてきました。現在も「羊肉=ロール肉」というイメージを持つ方は少なくありません。

一方で、価格競争の影響を受けやすいカテゴリーともいえます。

2026年6月に加工用途向け冷凍ラムが大きく減少した背景にも、原料価格の上昇を受け、食肉加工会社などが仕入れに慎重になっている状況があるとみられます。

ただし、味付ジンギスカンは、調理しやすく羊肉に慣れていない人でも手軽に食べられるため、特に本州では今後も市場拡大の可能性があると考えられます。「味付ジンギスカン」は、私たちも今後の動向に注目しているカテゴリーのひとつです。

日本の羊肉市場は、これからも広がっていく

2026年上半期の対日輸出量は、6月に大きく減少したものの、累計では前年同期比2%増となりました。現時点で日本のオーストラリア産羊肉市場が大きく縮小したとはいえず、上半期全体では前年をやや上回る輸入量となっています。

数字の増減がある一方、日本では羊肉を扱う飲食店が増え、ジンギスカンだけでなく、中華料理や世界各国の羊料理など、楽しみ方も広がっています。また、大手飲食グループによるジンギスカン業態店の好調な伸びなどからも、羊肉市場にはさらなる可能性があると考えています。

羊肉をテーマにしたイベントも各地で開催され、これまで羊肉になじみのなかった人が、そのおいしさに触れる機会も増えています。日本における羊肉の楽しみ方は、着実に広がりを見せています。

原料価格の上昇などの課題はありますが、チルドラムを使った外食メニュー、家庭で扱いやすい味付ジンギスカンやロール肉、ソーセージなど、羊肉の可能性はさまざまな分野にあります。

生産者、輸入・加工事業者、飲食店、そして羊肉を楽しむ皆さんとともに、羊肉の魅力や新しい楽しみ方を考え、伝えていくこともラムバサダーの役割です。これからも、より多くの方にオージー・ラムを楽しんでいただける機会をつくっていきたいと考えています。

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・資料を基に一般の方にわかりやすくまとめることを前提とした文章になります。
・資料のデータ参照元:DAFF(オーストラリア農林水産省)