オーストラリアの日常に根付くカフェ文化とラム

オージー・ラム愛のお店は今までジンギスカンやガチ羊料理のお店が多かったですが、今回はなんと目先を変えてオーストラリアスタイルのカフェです。

オーストラリアと聞いて、真っ先にコーヒーを思い浮かべる人はまだ少ないかもしれません。しかし、シドニーやメルボルンには街のいたるところにカフェがあり、コーヒーを飲みながら食事や会話を楽しむことが日常に根付いています。私もメルボルンに行ったときにオーストラリアの気さくだけど濃厚なカフェ文化を思い切り感じました。

そんなオーストラリアのカフェカルチャーを東京で体験できるのが、シドニー発のスペシャルティコーヒーロースター「Single O」。2025年に神田淡路町のワテラスにオープンした「Single O Kanda Awaji」は、コーヒーだけでなく、朝食からランチ、デザートまで楽しめる店舗です。

そして、オーストラリアの食文化を語るうえで欠かせない食材の一つがもちろんラムです。オーストラリアでは、日本人が考えている以上にラムは身近な存在。なんだろう、たとえ間違っているかもですが、日本人にとっての魚のイメージでしょうか??

スーパーにはさまざまな部位が並び、BBQのラムチョップから家庭の煮込み料理まで、日常的に食卓に登場します。Single Oでもそんなラムの魅力に注目し、2026年夏のメニューとして登場したのが「オーストラリア産ラムのローガンジョッシュ」です。

ラムショルダーで味わう「オーストラリア産ラムのローガンジョッシュ」

ローガンジョッシュは、インド・カシミール地方にルーツを持つスパイスカレー。Single Oでは脂のノリがよく、じっくり煮込むことでホロッと柔らかくなるラムショルダーを使用しています。

面白いのはその調理法。本場のカレーのようにヨーグルトとスパイスで肉をマリネするのではなく、塩と砂糖のみでマリネしてから強火で焼き付けます。肉にしっかり焼き目をつけ、その香ばしさまで煮込みに溶け込ませるという、西洋料理の煮込みの技法を取り入れています。

さらに乾煎りしたホールスパイスの香りをオイルに移し、飴色玉ねぎとともにじっくり煮込むことで、スパイスの香りの奥からラムのコクと甘みが感じられる一皿に仕上げています。

この、様々な文化を混ぜて料理に仕上げていく手法は「モダンオーストラリアキュイジーヌ」と呼び、さまざまな文化が混ざり合うオーストラリアらしい料理の総称となっています。

余談ですが、以前オーストラリア料理の店で味噌を使っていると聞いて驚いたことがあります。このぐらい自由だけど、センスが大事になってくる料理がオーストラリアの料理なのです。

話は戻りまして、料理に添えられるのはターメリックライス、自家製フラットブレッド、人参のアチャール、キヌア、夏野菜。最後にネパール山椒を一振りし、一皿の中でさまざまな香りや食感を楽しめる一皿に仕上げ、料理としての完成度を引き上げています。

世界の食文化とラムをつなぐ、Single Oの新しいラム料理

ラムという食材について、「その土地の香辛料やスパイスと合わせることで、さまざまなアレンジができることに魅力を感じる」とお店の担当者は話します。ヨーロッパとアフリカの食文化から生まれたメルゲーズ、中国・ハルビンの羊肉串、そしてインドのカレー。世界各地でその土地の味と結びついてきたラムだからこそ、料理人の発想次第でまだまだ新しい表情を見せてくれます。

もちろん、Single Oに来たならコーヒーも外せません。「Cold Brew with Banana Bread Espresso Cream」は、“飲めるバナナブレッド”をイメージした一杯。すっきりした水出しコーヒーに、なめらかなエスプレッソクリームを重ねた遊び心のあるドリンクです。夏限定ブレンド「FIRECRACKER」も提供されています。

コーヒー、料理、アート、そして人が自然に交わる場所を目指すSingle O。その中にラムがごく自然に存在しているところに、オーストラリアらしさを感じます。「ラム料理を食べに行く」のとはちょっと違う、オーストラリアの日常の中にあるラムを楽しむ。そんな新しいオージー・ラムとの出会いができる一軒です。

※ローガンジョッシュは2026年夏のメニューとして案内されているため、掲載時には提供状況をご確認ください。