羊の匂い?臭い?やはり気になる羊の香りの話

「羊ってやっぱり臭いが・・・・」と、結構言われることがある。世界的にみると一般的な食肉である羊肉を「臭い」というくくりで話すのはもしかして日本人はじめ、羊に親しみが少ない国だけかもしれない。実は20代など羊の臭いを苦手とする人が少なく、鶏肉や牛肉を「臭い」と食べられない人も居るので、この、羊の臭い問題は、世代による経験に基づく原因もあるのではと考える。

ある世代では、「羊肉の特性を知らない人がなんとなく料理した」料理を食べてしまった場合や、結構昔の事例だが初めて食べた羊肉が、羊毛用の品種が廃用された羊肉だったり、輸送技術が未熟な時代の保存状態が悪い羊だったり・・・・このような事が嫌いになる主な原因として考えられる。

そもそも、羊の独特の香りをユーラシア大陸の国などでは「草の良い香り!」と喜ぶ場合が多い。夏の初めに処理された羊肉が喜ばれるのは、春に成長する草を食べ、その香りがするからとのことだ。ちなみに、あの羊独特の香りは「草食動物独特の香り」でもあるので、羊も穀物だけ食べて育てればあの香りは少なくなる。ある意味、自然の中で天然の草をたくさん食べてきたという健康の証の香りでもある。

そして、やはり保存の仕方によっても羊の匂いは本当に全然違う。特に脂肪の部分は非常に酸化しやすく、酸化してしまうと独特の癖のある臭いが強くなるのだ。羊肉は正しく保存され、正しく調理されれば臭いはない。独特の香りがあるだけだ。つまり、処理の仕方次第で羊肉の「匂い」にもなるし、「臭い」にもなる。これは、羊自体の問題というより、様々な要因の問題で羊には罪はない。

羊肉は繊細な食肉。最近は輸送も、保存も、料理方法もどんどん進化しているので、羊が苦手だと思い込んでいた世代の人もどんどん羊肉を食べるようになってきている。「昔羊食べて臭いにやられてしばらく食べてない・・・」という方は、是非、今だからこそ本当の羊の味を経験していただきたい。

菊地 一弘

羊齧協会 主席
株式会社場創総合研究所 代表取締役
一般社団法人 来来県 代表理事

羊肉の消費者団体、羊齧協会設立者にして主席(代表)。羊肉料理を素人がおいしく楽しく食べられる環境作りを行うべく、月例イベント、羊フェスタ、羊齧落語、羊齧合コンなど、切り口を変えた羊肉普及のためのイベントを行う。月例イベントは6年連続満員御礼。100席のチケットが3時間で売り切れるほど協会には「羊愛」の強い会員が揃う。会員数は都内を中心に1,700名(2018年8月現在)。毎月数十名規模で拡大中。15名の幹部を置き、組織化しているのが大きな特徴。東京の本部のほか、関西支部を神戸に、北東北支部を八戸に置く。また、日本初のラム肉レストラン本『東京ラムストーリー』を監修するなど、活動は多岐にわたる。

羊齧協会 http://hitujikajiri.com/
一般社団法人 来来県 http://lailaipref.or.jp/