ラムバサダーのご紹介 / 宮島由香里シェフ

まだまだ女性が少ないシェフの世界で一つ星のレストランのスーシェフ(副料理長)を務める宮島シェフ。ご本人は小柄で物腰柔らかい雰囲気である。ただし、毎日のように日付を超えて帰宅しても、自分の好きなものを作って食べるのがストレス解消になるという料理好きである。

見せ方にこだわった料理を得意とし、羊フェスタ2018(羊肉を特集した年に1度のお祭りでさまざまな羊肉料理の屋台が並ぶ)で各ラムバサダー自らが焼く大人気の屋台で、宮島シェフのソースとしてはっと目を引くワイン色のカシスとビーツのマスタードソースが提供された。このように見た目の美しさだけではなく、美味しさも追求したソースは人気を博した。

宮島シェフは長野出身、高校卒業時に製菓の専門学校へ進んだ。高校のころ、身近にあったのがお菓子だった、ということでパティシエールを目指したそうだ。その後、パティシエールとしてフレンチレストランに入り、コースのデセール(デザート)担当となる。そのお店ではスタッフのまかないをパティシエールも担当することとなっていた。初めて作った料理は炊き込みご飯、茶碗蒸しに肉じゃが。その後も家庭料理を中心とする料理を得意としていたが、料理ができることを見込まれ、デセール以外のものも担当するようになった。このパティシエール経験が盛り付けや色味などによって見せ方にこだわった非日常感を演出する料理を得意とするようになった。

自分は怠け者なので、自身を鍛えるために本格的にフランス料理の勉強を始めたという宮島シェフ。怠け者というコメントとは裏腹に謙虚で努力をやめない人である。彼女の働くレストランは高級ホテルのなかにあり、外国からも舌の肥えた客がやってくる。非日常を演出するため、常に世間の標準の2〜3歩先をいく料理でなくてはならないという。例えば、伝統仏料理(羊肉の煮込み)のナヴァランのソース部分をシート状に加工し、これを三日月状にくり抜きそこに別で作った専用のソースを流しメインを乗せるという手の凝りようである。

実は家で過ごすのが好きという宮島シェフ、ラムバサダーとなり、屋台で羊肉を焼いたり、和食にアレンジされた羊肉料理を食べたり、イベントに参加することで世界が広がっているという。今後、彼女が仕事後に作っているような家庭料理のレシピ提案など、活動を広げたいという。

宮島 由香里

製菓専門学校を卒業後、都内のレストランで約5年間、パティシエールとしてレストランデセールを学ぶ。
2007年、丸の内「ヌーヴェルエール」のオープンとともにシェフドパティシエールに就任。料理へのさらなる可能性を追い求め、パティシエとして働きながらフランス料理を学ぶ。
そして、2010年、同店のスーシェフを兼任、2014年にはシェフに就任した。パティシエールというルーツを持った女性フレンチシェフという独特な感性を活かし、繊細で華やか、そして優しさのある料理を創作する。
2016年、ザ・リッツ・カールトン東京 ミシュラン1つ星獲得のメインダイニング 「アジュール フォーティーファイブ」のスーシェフに就任。

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