【羊のマメ知識】「日本人と羊」の歴史のお話

こんにちは。ラムバサダーの菊池です。羊の様々なことを皆様にお知らせするこのコラムですが、今回は、「日本人と羊」についてお話しいたします。

実は、羊は日本に昔からいる家畜ではありません。そう言うと驚かれる方が多いのですが、今回はこの辺りを掘り下げていきます。

●日本への羊の初来日は推古天皇の時代

すごい古い話ですが、羊の日本への伝来は、推古天皇7年(599年)に百済より2頭献上されたという記録が最も古いといわれています。

この時は家畜というよりは、めずらしい動物として献上された可能性が高く、そのまま繁殖などもせずに居なくなった可能性が大きいです。しかも、この時ヤギと羊の区別はなく、もしかしたらヤギだったのではなどとも言われているのですが、今からだと確かめようがないですね。

その後、ちょくちょく献上されたようですが、肉食の文化もなく、動物の毛から糸や布を作る技術もほとんどなかったので、飼育しよう!繁殖させよう!とはならなかったようです。

●羊を知らない江戸時代

「羊を知らない国、日本」と話すと「干支で羊がいるじゃないですか!」とよく言われますが、実は、江戸時代の浮世絵の羊などは全部「ヤギ」なのです。

昔の人が羊を書く時、中国の辞典のようなものを調べたところ「羊:ヤギに似ている」的なことが書いていたので、ヤギを羊として書いてたとのこと。よく見ると、浮世絵の羊は、髭と角がある事が多いので、見る機会がありましたら注意して見てみてくださいませ。虎や象と同じく今では身近な羊は昔は想像するしかない生き物だったのです。

このように、羊にも色々と歴史があり、調べてみると本当に面白いので、この続きも引き続き、書いていこうかと思います。

菊地 一弘

羊齧協会 主席
株式会社場創総合研究所 代表取締役
一般社団法人 来来県 代表理事

羊肉の消費者団体、羊齧協会設立者にして主席(代表)。羊肉料理を素人がおいしく楽しく食べられる環境作りを行うべく、月例イベント、羊フェスタ、羊齧落語、羊齧合コンなど、切り口を変えた羊肉普及のためのイベントを行う。月例イベントは6年連続満員御礼。100席のチケットが3時間で売り切れるほど協会には「羊愛」の強い会員が揃う。会員数は都内を中心に1,700名(2018年8月現在)。毎月数十名規模で拡大中。15名の幹部を置き、組織化しているのが大きな特徴。東京の本部のほか、関西支部を神戸に、北東北支部を八戸に置く。また、日本初のラム肉レストラン本『東京ラムストーリー』を監修するなど、活動は多岐にわたる。

羊齧協会 http://hitujikajiri.com/
一般社団法人 来来県 http://lailaipref.or.jp/

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