今だから知りたい!ラム肉の栄養価について。

こんにちは。ラムバサダーの菊池です。ラム肉と話しますと多くの方が「栄養価が高いんですよね!」とおっしゃいます。しかし、「どう栄養価が高いか?」までご存じの方は少ないのではないかと思います。最近は首都圏ですと大抵のスーパーで取り扱いがあるラム肉。是非もっとご家庭でも楽しんでほしいと思い、栄養価などをまとめてみました。

まず、気になるカロリーから。「羊肉=カロリーが低いからいくらでも食べてOK」的な事が言われていますが、実は部位によりだいぶ違いがあります。下記に各100g(日本食品標準成分表参照)のカロリーを載せてみます。

ラム肉/ロース/脂身つき:310 kcal
ラム肉/もも/脂身つき:198 kcal
牛肉(和牛)/ばら/脂身つき:517 kcal
豚肉(大型種)/かたロース/脂身つき:253 kcal

と、部位によりカロリーが違います。一律にどこでもカロリーが低いわけではありません。なので、気になる方はもも肉がおすすめです。もも肉はタンパク質が非常に豊富で、100gあたり19gと和牛に比べると大体2倍含まれています。この点でラム肉はロカボにピッタリの食材として、筋トレをする方やアスリート、またはダイエット中の方に人気が高く、「肉はラム肉を主に食べる」と話しているアスリートの方もいらっしゃいます。しかしロースもおすすめですよ。ラム肉は脂肪の融点が44℃と高いのでラム肉の脂を食べても人間の体温では溶けにくいため身体には吸収されにくいのです。ジンギスカンを沢山食べても翌日胃もたれ知らずな経験ないですか?ラム肉は脂が甘くて美味しいですから菊池的にはロースもおすすめしたいところです。

その他に、鉄、亜鉛、銅などのミネラル分が豊富なことも特徴で、通常の食生活ですと不足しがちな成分ですので、これもラム肉の大きな特徴の一つと言えるでしょう。また含まれるバランスも良いと成分表で解かります。

ビタミン類も、多く含まれるビタミンB6はタンパク質の代謝を高め、 ビタミンB2は脂肪を効率よくエネルギーに変え、糖質の代謝に必要なビタミンB1も豊富に含まれます。よく聞かれる成分として、L-カルニチンがあります。こちら「脂肪燃焼に効果がある」と言われていますが、ただ摂取するだけではじつはあまり効果が期待できません。L-カルニチンは適度な運動をしたあとでこそ脂肪の燃焼をサポートする効果があるそうです。近年ではアスリートが積極的にトレーニング後にラム肉を食べているそうですが、これは非常に理にかなっていると言えますね。「L-カルニチン=痩せる」ではなく、運動とセットで是非覚えておいてください。また、羊の脂肪には体内のコレステロールを減らす「飽和脂肪酸」が他の食肉に比べると非常に多く含まれているのも特徴となります。

北海道大学で羊肉の研究をされている若松純一准教授によると羊肉の赤身に含まれるたんぱく質は身体を温める作用が高いということも明らかにされています。とくに女性には年中冷え性の方が多いのでラム肉は冷え性対策の救世主になるかもしれませんね。

このように、栄養価的にも優れたラム肉ですが、やはり、一番のポイントは「美味しい」ことだと思います。美味しくて栄養満点のラム肉を是非ご賞味くださいませ。

この記事を書いた人

ラムバサダー 菊池 一弘

羊肉の消費者団体、羊齧協会創業者にして主席(代表)。
羊肉料理を素人がおいしく楽しく食べられる環境作りを行うべく、多種多様な羊肉普及のためのイベントを行う。
詳しいプロフィールはこちらから。

こちらもおすすめ