最近の羊業界の流れとして、首都圏や北海道だけではなく日本各地に「変態的こだわり(すごい褒め言葉として使ってます)」を持った美味いジンギスカン店が増えてきているとのことです。この流れ、非常に羊肉業界として良い流れだと感じています。羊肉の9割は北海道と関東で消費されており、羊肉の裾野を広げるためにも各地で美味い羊肉を広めてくれるお店の存在は欠かせません。今回ご紹介するのは長野県北安曇郡白馬村の「深山成吉思汗(ミヤマジンギスカン)」さん。小さな町のジンギスカン店ですが評判は高く、オーストラリアの食肉関係の人が絶賛する肉質と味だそうで。以前より気になっているお店です。
オーナーにお話を伺ったのですが、もともとオーナーは焼き肉畑一筋。5本の包丁を使い分け、肉の目利きには自信があり、どうしたら肉をうまく食べさせることができるか? を考え続けている方で、オージー・ラムとの出会いがジンギスカン専門店を始めようとしたきっかけだそうです。オーナー曰く「オージー・ラムは本当に美味しいです。しかし輸入羊肉は同じ部位、取り扱い企業であっても違いがあります。その違いを目利きして、それぞれを適材適所のメニューにすることによって最高の一切れをご用意できています。」とのこと。
日本人は忘れがちですが、肉は生きている動物の物。人間でも大きい人小さい人、痩せてる人太っている人がいるように、羊も千差万別。その違いを無視して「肩ロースは肩ロース」とせず、肉を見てどうするか決めるのが、ジンギスカン屋さんの腕の見せ所であり、味の大きな違いでもあります。
▲これが定番の生ラムのタタキ。この色味たまりません。
一押しメニューは「オーストラリア産生ラム肩ロース」、「特製塩ダレに漬けた塩ジンギスカン」、「生ラムのタタキ」。生ラムのタタキは低温調理で仕上げた一品で店の定番料理(上の3メニューは全てオージー・ラムを使用)。 国産、オーストラリア産、フランス産の3種類の羊肉をMIXした手びねりソーセージも評判だそうです。
オーナーのこだわりは肉だけではありません。火は炭火の七輪。ジンギスカン鍋は奥州水沢の南部鉄器。タレは羊肉本来の味を引き立てる為に開発した完全無化調のオリジナル醤油ダレ。塩はチベット産のレッド岩塩を極限まで細かくした塩・・・・と、枚挙に暇がありません。
そして長野県は野菜王国でありきのこ王国。野菜・きのこは基本地産地消を貫き、長野の季節の恵みもフル活用。春は日本一標高が高いところで穫れる行者ニンニクをはじめ、地元の山菜。夏は地元農家から定期で届く夏野菜の数々。 秋は白馬の山々でとれる天然きのこ。冬は雪の中で1ヶ月熟成させるメロンと変わらない糖度の雪中キャベツ・・・・と、季節によりお店に行く楽しみがある、季節感が解るジンギスカン店は自然豊かな長野県にあるからでしょう。
長野県の豊かな自然と、オーナーの素材への飽くなき探求心と技術。それが旨さの秘訣なんだと感じるお店でした。
▲山小屋を思い出させる木目調が温かいお店。
【店舗詳細】
●店舗名:深山成吉思汗(ミヤマジンギスカン)
●TEL:0261-85-4633
●ジャンル:ジンギスカン
●住所:〒399-9301 長野県北安曇郡白馬村北城3020-694
●営業時間:17:00〜23:00
●定休日:木曜日
●座席:30席
●個室の有無:無
●禁煙席有無:全席禁煙
●開店年月日:2016年12月6日
●URL:https://www.lamb.full-marks.com/