消費者視点での「羊肉のお店の今」についての考察その1〜大手チェーンの参入と羊肉専門店の淘汰〜

こんにちは。羊肉の消費者団体「羊齧協会」代表でラムバサダーの菊池です。今回は最近の羊肉業界の流れで感じた事をまとめてみました。あくまで、消費者が感じる視点としてご覧いただければと思います。

本当に、羊肉は以前と比べて普及しました。私が羊肉の普及活動を行っていた当初は、活動内容を説明すると、「なんでそんなことしているんですか??」と言われることがほとんどでした。しかし今は「美味しいお店を教えてほしい!!」と言われることがほとんどで、まさに隔世の感があります。

思う事が多すぎますので、今回は前後半の2回に分けて、最近感じた「羊のお店の今」と「消費者はこう考えている」をお伝えできればなと思います。どうぞお付き合いください。

▲焼肉業態のジンギスカン店が増えてきたのも最近の特徴

■大手チェーンの羊業態への進出

以前は羊肉を扱うお店は個人店か、小規模のチェーン店がほとんどでした。しかし、今や大手の飲食グループが続々と羊業界に参入しています。グランドメニューに羊肉が入ったり、羊肉を中心としたお店を作ったりと、以前には全くない動きです。

ジンギスカン業態が多いですが、それにとどまらない様々な業態が生まれつつあります。この流れはコロナ前からですが、最近さらに加速している気がします。

▲焼肉ライクさんが期間限定で提供しているスプリングラム

特に、2019年初頭にサイゼリヤさんが「アロスティチーニ(羊の串焼き)」を発売して
全国展開すると、すぐに品切れで販売中止になったことが大きく、その時は多くのTV局や企業より「羊肉の今を教えてほしい!」との、お問い合わせを頂きました。

■羊押しの店の栄枯盛衰

最近、以前より羊好きの間で有名だったお店のクローズのニュースを聞きました。その他、SNSにて「あの店が閉まっていた」「コロナで休業のままなくなった」など、以前のエッジの立った羊売り個人店のクローズや苦境をよく聞きます。リリースが流れているなと思い、気にしていたら行く前に閉店してたなどという流れもちらほら目につきます。

「羊のお店だ!」が昔は最大の売りになってきましたが、今は羊を出すお店が一般化し、それだけだと、パンチが弱くなったのが原因の一つです。

この流れはある意味すごい事でして、羊肉がマニアックな食肉から、一般の食肉になってきつつある証拠なのでしょう。

しかし、これはあくまで一部で、羊肉専門店はしっかりと今でも大事な羊肉業界のピースであることには変わりありません。

▲居酒屋などで羊串を売りにする店も増えてきました

個人的に感じるのが、ここ数年で羊肉特集的な企画がメディアでは落ち着いてきていて、色々な料理の中に普通に食材として羊肉が入る事が増えたという事。例えば、スパイス特集の中に、羊肉のカレーが普通に入っていたり、酒場特集で「名物は羊の串焼き」と書いていたりですね。

この流れも、羊肉が食肉として認知されている事が大きな要因だと思いますので、我々としてはうれしい流れだと感じています。

次回は、「関西の羊のお店が熱い」と「郊外エリアにジンギスカン店が増えている」についてまとめます。お楽しみに!

この記事を書いた人

ラムバサダー 菊池 一弘

羊肉の消費者団体、羊齧協会創業者にして主席(代表)。
羊肉料理を素人がおいしく楽しく食べられる環境作りを行うべく、多種多様な羊肉普及のためのイベントを行う。
詳しいプロフィールはこちらから。

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