[グラフで解説]羊の「冷凍」と「冷蔵」需要の推移

前回は「オージー・ラム輸出向け数量の推移グラフの見方」という事で、グラフで見える情報の裏側的な部分を説明させていただきました。この記事をご覧になる方で、以前の記事をまだご覧いただいて無い方は、こちらをご覧くださいませ。

前回は、グラフの合計数量だけを見るのではなく、ラムとマトンの輸入量が変わったタイミングが大事!的にお話しさせていただきましたが、今回は、「冷凍」と「冷蔵」の切り口でグラフを読み解いていきます。

まず、大前提として、「冷凍が良い」わけでも、「冷蔵が良い」わけでもありません。どちらも使う時と場合により重宝します。日本ですと「冷凍=やや落ちる」的に思われがちですが、まずはそこを否定しておきます。(その件についてはこちらの記事参照)

さて、前置きはこのぐらいにして、まずはグラフを見ていただきましょう。

2015年から2020年までのオーストラリアからの羊肉の輸入量の推移です。これを見ると、2019年までは順調に推移し、2020年はコロナでやや減速したんだな・・と読めます。これが、一つの読み方。もう一つが「チルドラムが増えている!」と言う読み方が出来ます。

こちら、チルドラムはオーストラリアから一度も冷凍されずに運ばれてきたラムで、主に、飲食店や量販店。つまり、すぐに消費者に届く場所へ卸されることが多く、原料などに使われる場合がある、フローズンの減少を補っています。

このグラフから読み解けることも、前回の記事と同じく素材としての羊肉から、食材としての羊肉が多く流通し始めているという事です。皆さんも街中で「生ラム」と書いている旗や、シールを見たことがあると思いますが、チルドラムを扱う場合、生ラムと言う表記を使う事が多いです。

このように、原料から食材として浸透しつつあるオージー・ラムをグラフから読み解こうという企画でした。

この記事を書いた人

ラムバサダー 菊池 一弘

羊肉の消費者団体、羊齧協会創業者にして主席(代表)。
羊肉料理を素人がおいしく楽しく食べられる環境作りを行うべく、多種多様な羊肉普及のためのイベントを行う。
詳しいプロフィールはこちらから。

こちらもおすすめ